2011年4月4日月曜日

「作業員」のみなさん

自衛隊や消防の隊員のみなさんは被曝しながら作業をされています。もちろん東電の本社社員のみなさんもそうです。実際のプラント設計をして応援派遣された東芝や日立の社員の方々もそうです。なんとかできるだけ被曝を少なくしていただきたいと願います。
しかし、今回だけでなく、数十年の原発運転の陰で、下請け孫請け(七次請けなんてことも聞きます)企業の「協力企業作業員」と呼ばれる人々は、もっとも被曝線量の多いところで実際にぞうきんをもって漏れ出た水を拭き取ったり故障箇所の修理を担ってきました。
工業高校を卒業して下請け企業に就職し、すぐに浜岡原発に派遣されて定期点検中の格納容器の底でいろいろな作業に8年間たずさわり、「管理手帳」上は50数ミリシーベルト(しか)浴びたことになっていない嶋橋伸之さんは、「慢性骨髄性白血病」となり、病院で一年の闘病のかいもなく29歳で死亡されました。
伸之さんのお母様が原子力資料情報室の会見で伸之さんの被曝と企業の対応について語っておられます。
http://www.ustream.tv/recorded/13718448
今回の事故は、大量の放射能を環境中に放出しています。2号機に関しては圧力容器と格納容器が破損して、燃料棒からの核種が直接漏れ出しているようです。伸之さんが浴びた放射線以上の汚染環境が特に水にとけ込んで敷地内に漏れ、地下水、海水を汚染し続けている。
作業員の方々の心身の疲労を考えると極限状態という言葉を思い浮かべずにはいられません。報道では、東電側は線量計すら全員につけさせずに作業させていたことが明らかになりました。あらためて、東電本社・保安院、電事連など、官民の政策作成・指示・命令系統を担ってきた官僚たち、人工出しで儲けてきた企業経営者たちに怒りをおぼえます。
冷温停止から外部環境への放射能漏れを防ぐにはこれから数ヶ月から年単位での長い放射能との戦いになるでしょう。その間、第二第三の伸之さんがでないことを祈るしかありません。

劣悪な現場作業についての報告「野宿労働者の原発被曝労働の実態」

全国で稼働中の原発、特に「統計上いつ来てもおかしくない」東海地震の震央に位置する浜岡原発をできるだけ早く止めたいものです。停止しても、各原発内には溜まり続けた燃料棒プールがあり、むつには全国から燃料棒が集まっているのですから。思考停止せず、一刻も早く震災対策を見直すべきではないでしょうか。

むつ「中間貯蔵施設」について(東電パンフ・PDFファイル)
むつ「中間貯蔵施設」について(原子力資料情報室ニュース)
浜岡原発停止署名のご紹介

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