2011年7月4日月曜日

破壊される生活・明らかになった内部被曝・福島「暫定基準」の撤廃を

ビデオニュースドットコムの無料部分、6月25日放送分
藍原寛子氏が福島現地で震災後に自殺者が4月に5割増加しているという報告をしています。相馬市の酪農家が「原発さえなければ」と書き置きして自殺した件を調査、自家牧草を与えられないため、汚染していない飼料を購入しなければならず、農業関係補償が遅れているため毎日現金が流出し、さらに入手も困難、妻子が帰郷して孤独だったことなど、複合的な要因においつめられた結果だという。その他にも震災で修理依頼に追われ、部材が入手できなかったりで手がつけられなかった瓦職人が二人相次いで自殺していたり、普段なら問題にならないことが心理的な不安定さが広がっているため自殺につながるという要因も指摘されている。
 また、「原発離婚・原発家庭内不和」が広がっているという報告もあります。これはまったく他人事ではなくて、東葛地域でも東京でも良く聞くのですが、実際子どもの安全を考える母親が母子避難して、取り残された父親が不安定になるという話し。母子避難の経済的・心理的なケアというのも緊急の課題ですが、一方で一人残される父親たちのケアも必要になりますね。子どもから引きはがされたショック。東葛地域でもこれから「取り残されおやじの会」でもやりますか。
 この日の放送の有料本編は有馬哲夫早稲田大学教授をゲストに「正力松太郎はなぜ日本に原発を持ち込んだのか」です。
7月1日無料放送分
この日の藍原寛子氏の報告は、福島の子どもたちの尿からセシウムを検出したというニュース。6歳から16歳の男子6名、女子4名で事故当時から福島市内に住み、5月20日頃に採尿。一人は3月23日の時点で山形に避難していたがやはり検出されてしまいました。「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」がグリーンピース・ジャパンなど6団体と参議院議員会館で共同記者会見で明らかにしました(詳しくはこちら「共同プレスリリース・6/30付」
さらに、福島県でホールボディカウンターによる検査が行なわれて、数百ベクレル/kgの内部被曝が検出されている件、また福島県内で実行された除染活動の実際の様子が取材されています。通学路を県職員と一緒に保護者たちが協力する姿が写されています。デッキブラシとスコップ。福島第一小学校の玄関脇で高さ1cmで47μSv/hあり、除洗後1.8まで落ちたそうです。東葛地域でも参考になるでしょう。
この日の有料本編は「スマートグリッドがもたらす『引き受けるエネルギー社会』」、6/18日の放送は「改革官僚」古賀茂明氏(経済産業省大臣官房付・退職勧告を受けているという)をゲストに「原発震災を防げなかった本当の理由とは」で、大変興味深い内容です。月525円という安価で新聞ではまず読めない、内部事情にまで踏み込んで「時間制限なし」のネット放送ならではの掘り下げが毎週行なわれています。この放送からゲストの著作などを読むのもよし、逆に読んでから著作に書けない本音がぽろりと出るのを見たり、強くおすすめします。

7月31日まで延長!7月5日締め切りの署名をお願いします!
福島の子どもたちを守るための緊急署名
避難・疎開の促進と法定1ミリシーベルトの順守を
オンライン署名はこちらから
https://spreadsheets1.google.com/spreadsheet/viewform?hl=en_US&hl=en_US&formkey=dDl1ZG52UnhQX1FscF9PbWhVQWJPWEE6MQ#gid=0

2011年6月14日火曜日

事故の実態と被害の把握・対策を

このところ毎日のように明らかにされる東電の「後出し情報」、それを追認しかできない原子力安全保安院の調査能力の欠如(責任の放棄)、安全委員会の「SPEEDI画像実はもう数百枚ありました」、怒りを通り越して脱力してしまうわけです。ともかく後出し情報から類推される11日からの事故の実態はまさしく戦慄すべきものであった(今頃こんなことを「命じる」のか、今まで何してたのかとあきれる記事)。
原発事故直後からの操作記録、東電に報告命じる
水素爆発の映像を見てこれはまずいと子どもたちの避難を考えたが、官房長官の「圧力容器は健全です」「ただちに健康に影響を与えるものではないレベル」という言葉を信じてしまった自分がなさけない。東電はまだ認めていない(つまり私の想像だ)が、11日地震直後に各炉で配管の損傷が起こり、冷却材喪失と炉心溶融は進行しはじめ、津波による電源喪失はこの事態を決定的にしたのではなかったか。結果として東電が「発見」したように初日から「圧力容器の健全性」など保たれてはいなかった。経団連の会長とかいう頭の中がブラックボックスな輩が「地震に耐えた」と褒め称えたが、耐えてはいなかったのです。特に15日から吹き出した高濃度放射能プルームは福島各地を襲い、21日22日には金町・東葛地域・茨城県南の上空に漂ってきて、雨によってたたき落とされ「ホットスポット」をつくった。
この放射能放出と被害は、しかし事前(90年代)にその危険性があると警告されて対策まで示されていたというのに、東電は何もしていなかったというのです。
「産経ニュース」
「東電の不作為は犯罪的」IAEA元事務次長一問一答

IAEA元事務次長「防止策、東電20年間放置 人災だ」

ここでもわずかな金(毎年原子力産業のために使われる金額に比べれば)をけちって被害を拡大させた「官僚」機構の弊害が明らかになる。

内閣府の下におかれた「事故調査委員会」が果たしてしっかりした調査ができるのかとまた疑ってしまう。原発を推進してきた部分が主流であるエリート官僚たちが事務局をつとめる委員会に、官僚組織や巨大独占企業の内部に踏み込んだ調査ができるのでしょうか。
IAEA閣僚会議に対する日本政府の「原発事故報告書」も、津波の巨大さを強調して、事故が起きた時にどうするか全く想定していなかった官僚組織のいいかげんさが隠されている。口先では安全といいつつ、実は事故のリスクは高かったというのは責任官庁は知っていたはずで、だから国民に隠れて十分に準備していなければならなかったのに、本当に何もしていなかったのですね。その結果現場で被曝労働を強いられるのは「協力会社作業員」であり、現場の東電職員であり、さらに核施設・核燃料輸送車事故に備えていた消防レスキュー隊や核戦争・化学戦に備えていた中央特殊武器防護隊などのみなさんになる。
65年前に若者たちに死をおしつけておいて裏で戦時物資を横領し、戦後のうのうと生き延びた中央の軍・政治官僚、政治家連中と同じことを、「地下原発構想」だの「世界一安全な原発」などという姑息な幻想をふりまいて続けようとする連中がいる。もう核燃サイクルの不可能性、すでに溜まりすぎた使用済み核燃料など高レベル廃棄物の管理だけでも「数万年後の子孫」にまでつけを押しつけているというのに(ウランが枯渇した後、自然エネルギーで作った電気で冷却しつづけなければならない)。

そして、数万年後の子孫たちの親になるべき「今の子どもたち」のために緊急に必要なのは、少なくとも「年間1ミリシーベルト」を超える外部線量被曝が確実な地帯での除洗作業・降り積もった核種の特定と内部被曝の実態調査でしょう。一地方自治体で無理なら広域自治体連合でもいいから、ホールボディカウンターを用意して、疫学調査を開始すべきだと思います。数十年後を見据えて。何はともあれ福島の子どもたち、そして東葛の子どもたちと。
福島市は、全生徒・児童に積算線量計バッジを配布して月一回回収して統計をとることにしたそうです。東京新聞記事
「子ども3万4千人に線量計配布 保護者不安で福島市」

2011年5月30日月曜日

進行する海洋汚染と海産物への生体濃縮・内部被曝

グリーンピースによる海洋汚染調査とその報告です。
「海洋調査結果、21サンプル中14サンプルが日本政府の定める暫定規制値を超える。政府にたいして調査の強化や水産関係者への補償を要請」

上杉隆氏がこのグリーンピースの調査と海産物汚染についての記事を『ダイヤモンドオンライン』「週間・上杉隆」に書いています。
「世界で2ヵ国しかない、グリーンピースの海洋調査を断った国・日本。政府は今すぐ独自に調査をやり直すべきだ」
「ストロンチウム90の海産物汚染に無策な日本政府。細野豪志首相補佐官の「約束」に期待したい」
他のバックナンバー「情報隠蔽で世界の孤児になりつつある日本。もはやチェルノブイリ当時のソ連以下かもしれない」なども興味深い。
(6/2追記:『現代ビジネス』の記事「野菜と海藻(ワカメ・コンブ・のり)放射能汚染調査の全記録」で官邸内部で行なわれた「グリーンピース対策」、海産物だけでなく陸側で行なわれた農産物の測定値も紹介されています。南相馬市のホウレン草の値はショックです。「原発に頼らない地域づくり」という市長さんの方針に賛同して、これから被災地支援活動をしていきたいと思うのですが。6/1の記事「放射能で『汚れた土』がこれからしでかすこと」も併せて問題提起として考えていきたい)

三重大学生物資源学部准教授の勝川俊雄さんの公式サイト、モットーは「長いものには、巻かれません。研究者の顧客は誰か?」という心強いもの。「食品の放射性物質の暫定基準値はどうやって決まったか」「海水が『不検出』でも、魚の汚染は進みます」など、専門の海洋汚染、魚の種類や部位別・核種による生体濃縮の傾向など、大変参考になります。特に一番目の記事では、3月25日に行なわれた食品安全委員会の議事録を追いながら、基準値が現状追認側に誘導されていく課程が検証されています。

5月28日放送の「ビデオニュースドットコム」の無料コメンタリー部分、前半は「布川事件」に見られる日本の刑事司法の崩壊をジャーナリスト青木理氏と神保・宮台両氏がコメントしています。後半は福島の小学校での校庭表土除去作業の実際を福島現地のジャーナリスト藍原寛子氏と神保氏が取材した映像を宮台氏とコメントしています。マスクをする小学生たち、簡易計測器での測定数値、用務員のおじさんが草をむしり「全部ひまわりを植えるんだ、放射能除去にいいという話し聞いたからさ」という場面で涙目になる反面、対する文科省の対応や被災者と無縁の政治家たちの動きなど、怒りを新にします。
布川事件では警察と検察が「社会の安心」のために証拠もない容疑者を逮捕してでっち上げ、マスコミも裁判所もずさんな立件をチェックできない司法の腐敗がまた明らかになりました。
実は原発関係でも司法の腐敗が極まっていたことが明らかになっています。最高裁判事・味村治は1992年に伊方原発1号炉訴訟・福島第二原発1号炉訴訟において原告の上告を棄却し、「安全」というお墨付きを与えていたのですが、なんと退官後の1998年、東芝の「社外監査役」に就いていたというのです。(http://www.mynewsjapan.com/reports/1437)

2011年5月21日土曜日

内部被曝はどのような被害をもたらすか

内部被曝の危険性について、矢ヶ崎克馬琉球大名誉教授が訴えるビデオニュースの無料放送です。
「依然として最大の脅威は内部被曝のリスク」
物理学者として、アルファ線、ベータ線を発する核種を体内に取り込んだ場合に何が起こるのかをわかりやすく解説してくれています。矢ヶ崎氏は福島県内で市民団体の要請で内部被曝の危険性について講演し、線量調査も実施したということです。

欧州放射線リスク委員会(ECRR)の2010年報告書を「美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会」が緊急に翻訳しました。大部なものをPDFで公開してくれています(これから勉強しないと)。
欧州放射線リスク委員会 2010年勧告『放射線に安全な線量はない』PDFにとぶ目次ページ
ECRR(ヨーロッパ放射線リスク委員会でも検索でヒット)は2003年勧告(これも「美浜の会」が翻訳、出版)で国際放射線防護委員会(ICRP)の基準を内部被曝の影響を過小評価していると批判し、チェルノブイリ事故の被害についても実際にはICRPの見解より深刻な被害があったと報告しました。
「本委員会は、現在のガンに関する疫学調査は、1959 年から1963 年にかけて世界中で行われた大気圏内核実験による被曝と、核燃料サイクル施設の稼働がもたらした、さらに大量の放射能放出が、ガンや他の健康被害の明確な増加という結果を与えているとの結論に達した」「本委員会ECRR の新モデルと、ICRP のモデル双方を用いて、1945 年以降の原子力事業が引き起こした全ての死者を計算した。国連が発表した1989 年までの人口に対する被曝線量を元にICRP モデルで計算すると、原子力のためにガンで死亡した人間は117 万6300 人となる。一方、本委員会のモデルで計算すると、6160 万の人々がガンで死亡しており、また子ども160 万人、胎児190 万人が死亡していると予測される」「本委員会は以下を勧告する。公衆の構成員の被曝限度を0.1 mSv 以下に引き下げること。原子力産業の労働者の被曝限度を5 mSv に引き下げること。これは原子力発電所や再処理工場の運転の規模を著しく縮小させるものであるが、現在では、あらゆる評価において人類の健康が蝕まれていることが判明しており、原子力エネルギーは犠牲が大きすぎるエネルギー生産の手段であるという本委員会の見解を反映したものである」(2003年勧告「結論」部分より)

ECRR勧告作成のメンバーで、唯一の日本人である沢田昭二氏(名古屋大学名誉教授)の最新論文がカナダにある「ピース・フィロソフィー・センター」の日本語サイトに載っています。
「放射線による内部被曝——福島原発事故に関連して——」
同サイトはとても充実しています。じっくり見なくては。
こんな記事がありました。
「NHKに一瞬映った「WSPEEDI」3月15日被ばく予測マップ」
「公表していない図」がNHKで画像となっているのは、内部リークということなのでしょうか。数値は確かに高めに出る(というか避難勧告をするためには安全策で高めに出ても有効)だろうし、「正確ではない」でしょう。だけどこの図を見ると「どういう方向に逃げるのがリスクが高い」かは判断できる。だが安全委員会はこの図の赤い孤の部分(北茨城・水戸・野田・太田・前橋に至る人口密集地)の住民が「パニック」になるのを怖れたのだと思う(自分たちのレベルで国民を判断するなよ、といいたい。国家公務員や学者と違ってみんな地域生活があって逃げたくともそうそう逃げられないのだ)。3月21、22日の雨の時点での予測マップを原子力安全委員会は「持っているが公表していない」のだと強く推測されます。

2011年5月19日木曜日

低線量被曝と内部被曝による晩発性障害について

「東葛ホットスポット」。ここ数日「はかるくんII」で測った数値では初石駅近辺路上1mで0.3μSv/h、木造住宅内で0.1を切るようになってきました。3月21、22日の雨で東葛地域に落ちたチリの核種は行政当局が未だに測定していないために正体がはっきりしませんが、ヨウ素とセシウムが主だとすると、そのうちヨウ素が1カ月で5%程度に減衰しているために徐々に下がっているようです(もちろんこれは放出の続いている福島第一現地からまた大放出があったり、台風などでチリが巻き上げられて拡散し、ふたたび近辺に流れてきたところに雨で地上に落ちるなどがなければ、という仮定でです)。しかし、これからセシウム137など半減期の長い核種が残れば百年単位の計測と疫学的影響調査が必要になるでしょう。体内に取り込んだ場合の影響については日本政府の数値はもちろん国際放射線防護委員会(ICRP)の数値も過小評価しているといわれています。むしろ「フクシマ」の知見が蓄積されて、これから世界での原発事故対策に取り入れられていく、ということです。そこで「日本ではこうやって被害を低減できた」となるか、「日本ではこのようにしたために被害が拡大した」となるかなのです。
行政とのやりとりで感じるのは地域自治体の対応が国家官僚・御用学者の孫引きなことです。よくいわれますが、エリート国家官僚は数年で担当が替わるために長期的な責任を問われない体質になっている。地域住民と直に接する自治体職員のみなさんを私たちの側にとりもどさなくては。官僚の仮面なんかとって人間に戻ってね、と。

政府・御用学者ではない情報について。
崎山比早子さん(元放射線医学総合研究所主任研究官、医学博士、現高木学校)の動画
原子力資料情報室の映像アーカイブ

文書3点です。
ドイツ放射線防護協会「日本における放射線リスク最小化のための提言」(PDF)
日本政府の数値でなく、ドイツ放射線防護令を適用した場合の「がまん値」についての提言。推計の前提がラフですが、日本で市民・専門家によってしっかりした対策をつくるための参考にはなるでしょう。

「チェルノブイリ原発事故によるベラルーシでの遺伝的影響」
ベラルーシにおける事故後の先天性異常についてのデータがあります。

「放射線と健康」アーネスト・スターングラス博士
アメリカで原水爆実験と原子力事故による晩発性障害の研究をしてきたスターングラス博士が2006年青森で行なった講演のまとめです。「どなたか広島・長崎以降の国家医療費の総計を、原子力発電所の推移とくらべて調べてみるといいでしょう」。

以上文書3点の出典サイト「福島原発事故情報共同デスク」の「放射能の基礎知識」
(ここに紹介されてる「よくわかる原子力」「キッズページ」子どもにみせてみようかな)

2011年5月3日火曜日

飯舘村のみなさん・2

先に「飯舘村後方支援チーム」の活動についてお知らせしました(「飯舘村のみなさん」)。
その後の村の様子について4月30日に平塚で行われた報告会の様子です(岩上安身氏のサイト)。
シンポジウム「飯舘村支援のために市民ができること」
第一部で「後方支援チーム」による報告、第二部で河野太郎自民党議員のエネルギー政策の今までと今後について、第三部質疑応答となっています。
飯舘村のみなさんの避難が遅くなっているのは、初期に県が派遣した「専門家」が「安全だ」と言ったためだという。「手を洗えば大丈夫、路地野菜も洗えば大丈夫、セシウムもそのうち雨で洗い流されるから心配ない」とまで言ったそうです。その後に「計画的避難地域」という指定を村全体が受けたため、村の人々は安全じゃないのか、と困惑している。
(6月3日追記:フリージャーナリスト田中龍作氏の記事「飯舘村 山下教授 『洗脳の全容』」、4/1に行なわれたあの「福島県放射能リスクアドバイザー」による村議員・職員向け非公開セミナーでの発言を再現しています。詐欺罪とか成立すると思うけど。いや、業務上過失傷害か)
報告者のひとり小澤祥司氏(環境ジャーナリスト)が「ダイヤモンドオンライン」でレポートを執筆しています。「持続可能な村づくりを奪われた村――原子力災害の理不尽な実態」

国と東電は責任をもって福島第一から数キロごとの同心円上にきめ細かくモニタリングポイントを設定し、核種分析を含めた情報を収集して全面開示を行なうべきです。
柏・流山・松戸・金町もミニホットスポットと言われてますが、とにかくこの地域の行政が第一になすべきは国・東電と交渉しつつも、動かないなら自前でモニタリングを充実させてきちんと情報を開示することでしょう。周辺農家の作物もきちんと測定しないと、住民の買い控えは収まらないでしょう。信頼のおける数値が出てくれば、乳幼児には食べさせない、子どもをつくるつもりのない人は食べる、などの判断ができるようになります。特に地域で有機農業などを実践してきた農業の次代を担う若い農民の方にとっては死活問題になりつつあると思います。

東電・責任のとらせ方

大メディアに一斉に流された「賠償スキム」は、東電が国民を人質にとって存続を図る方策だといわれます。あの作文は急遽2兆円を追加融資した「メガバンク」が焦げ付き回避のために作り、財務省のチェックの後にアドバルンとして打ち上げてみたということらしいです。
5月2日、環境エネルギー政策研究所の第3回週定例記者会見の様子です。
http://www.ustream.tv/recorded/14427069

ISEPでは被災地復興にむけて「つながり・ぬくもりプロジェクト」を起ち上げました。その報告を顧問の竹村英明氏が行なっています。
嬉しい話題としては、長野県知事が「自然エネルギー100%」という方針を出したそうです。

「東電ゾンビスキム」については、高橋洋一氏が「政府の東電救済策では国民負担は10兆円になる」と警鐘を鳴らしています。
「現代ビジネス」記事「大増税路線に騙されるな!」
小泉竹中路線の「郵政改革」で具体的な政策スキームを立案していた財務官僚だった高橋氏は、「霞ヶ関埋蔵金」とか官僚の金城湯池だった聖域のいくつかを明るみに出しました。結果として官僚組織からは天敵扱いされ、外にでたあげく不可思議な事件で逮捕されましたが、なんとか復活してきています。一方で、小泉竹中路線は20年遅れのサッチャリズムであって、非正規雇用の全面化、地方にかろうじて残っていた地域共同体の息の根を止めたという巨大なマイナスをもたらしたという点を忘れるわけにはいきません。竹中平蔵というのは、非関税障壁としての日本社会の慣行・既得権益の良いも悪いも一緒にしてつぶして欧米資本に「自由化」しただけではないか、というのが私の評価です。
その点は気をつけながらも、高橋氏は官僚の操作手法を知り尽くしている数少ない「在野」の人物として貴重だと思います。TPPに賛成するなど、アメリカの戦略にあまりに無防備だとは思いますけど。
「政府案が、巨額の賠償を考えると東電が債務超過になっているにも関わらず、債務超過にさせないように国民負担をつぎ込むのは、おかしい。これで利益を得る人は、東電株主や社債権者だ」