滅亡ロックあるいは

「ていくあさっどそんぐあんどめいくいっとべたあ」
ブログのタイトルはもちろん30年以上愛聴してるクリムゾンの「スターレス」からきとります。
Sundown dazzling day
Gold through my eyes
But my eyes turned within
Only see
Starless and bible black

なんだけど、いつもこの後に

泣くのはいやだ
笑っちゃお
すすめ~

というひょうたん島のテーマが必要かな、と思う。

David Bowie「Five Years(live72)」1972
「アナウンサーが地球は後5年でお終いだと言って、彼は泣いていて、それで僕は本当なんだとわかった」という曲。「老いも若きも子どもも君もたくさんの人が。こんなにたくさんの人を僕は必要としていたなんて思ってもいなかったよ。5年、5年、あと5年しか」

Peter Gabriel「Here Comes The Flood」1977
「前兆があった。しかしわたしたちは無視していた。ついに洪水は来た。鋼鉄と金属の波が空をおおう。ついに洪水は来たよ!」……

Kate Bush「Breathing」1980
「昨夜、巨大な閃光を見た。私の理性は息をするなというけれど、私の本能は大気を胸に吸い込めというの吸ってはいて吸ってはいて」「プルトニウムのチリが私の肺に入り込んでくるのよ。愛する子どもたちも吸ってはいて吸ってはいて。生きるということは呼吸するということよ。どこのバカどもがこんなことを起こしたの」

Sting「We Work The Black Seam(live)」1985
当時、サッチャー・ネオリベ政権によって炭坑つぶしと原発推進が行われていて、全英炭坑労組のストが続いていた。「おまえらの経済理論とかじゃここは良くなるというけどよ、核時代のいつの日か、やつらにも俺らの怒りがわかるだろうよ。自分で扱えもしねえ機械をつくりやがって、そのゴミを地下深く埋めて。エネルギーは安くてクリーンになって、炭坑夫の汚ねえ顔はなくなるよ。だけど炭素14は12000年間もっと汚ねえ毒を出し続けるぜ」まったく。
同じアルバムの「Children's Crusade」は1914年のフランスのケシの花咲く野で死んでいくイギリスの若者たちと1984年のロンドンで麻薬の奴隷となる若者たちを串刺しに見る。ブランフォード・マルサリスのソプラノサックスが悲しくメロディアスにブロウする。まさしく「ハーメルンの笛吹男」として。あの総力戦で「子供十字軍」のように愛国主義を吹き込まれて勇んで戦場に出て行った少年たちは「安全な司令部にいる将軍たちの夢が赤いワインに溶けていく」停滞した塹壕戦で無意味に殺されていった。戦線の両側でね

上田現http://www.uedagen.com/
「ワダツミの木」作詞作曲で知りました。死後の『Atlas』、音楽的に一番好きな「New Ueda 80」、「だれだって知ってる いつだってわかってる~命をけずって歌ってる 命をけずって笑ってる きっと そんなものさ そうね それが 君に伝わればいいね 一万二六〇〇メートルの海の底」
病気と格闘していたということもあるでしょうが、しかし「すべての人間は死すべきもの」ということを心底表現していたのですね。世界が雨で水の底に沈んでしまうという、J.G.バラードの世界のような「レインソング」、「この世界をふたつにわけてみようか 雨の降ってるとこと降ってないとこ ~七つの海がひとつになって 世界中が海の底 地面のない星を泳いでみようか」。
ラストの「Atlas」は残された娘さんが合唱していて、反則。何度聞いても。
トリビュートアルバム『SIRIUS』はレピッシュ時代の曲が多くカバーされている。レピッシュ「ワダツミの木」は男性ボーカルでもいい曲だと納得。筋少プラス水戸華之介「サイクリング」は大音量で大声で歌いたくなる。奥田民生「プレゼント」もそうなんだけど、一人多重禄でなくバンドでやってほしかったな。
ラストの川村結花「ラルゴ」、作曲家としてだけでなく、ピアニスト、ボーカリストとしての才能も素晴らしい人なんだな、と思う。感動的。

五つの赤い風船「殺してしまおう(ライブバージョン)」1970
たぶん中学生のころに深夜のAMラジオで聞いたのだと思う。途中であわててラジカセに録音したテープを何度も聞いていた。誰が歌っているのかもわからなかったけど。
「かわいそうだけど 殺してしまおう 君のペットたちを 僕のペットたちを いますぐみんなが みんな いなくなってしまうから 世界がこんなに 狂ってしまうから かわいそうだけど 殺してしまおう 君のペットたちを 僕のペットたちを」
核戦争がついに起こってしまい、そして放射能に襲われる前にペットを殺さなければならないという歌だと思っていた。そのうち、「ペット」というのは実は子どもであろう、と理解するようになった。つらい歌だな。
あらゆる事故現場、災害現場、戦場で、親たちはなんとか子どもだけは助けようとしてきたのだが、どれだけ多くの子どもたちが親世代の作った社会によって傷つけられ・殺されてきたのだろうか。
核爆発だけでなく、スリーマイル原発事故後の欧米では「原発事故が起きた時、子どもたちに何をしてあげられるでしょう。子どもたちにお別れのキスをしてあげましょう」というポスターがありましたね。
飯舘村の酪農家の方がNHKニュースで紹介されていました。牛たちは最小限の飼料しか食べていないのに乳を出し続けてどんどんやせていく。
あるいは20キロ圏内の街に乳牛や肉牛が放されて群れをなす風景。猫や犬たちが飼い主がいないため野良化する風景。(ビデオニュース神保哲生氏のリポート)