2011年5月19日木曜日

低線量被曝と内部被曝による晩発性障害について

「東葛ホットスポット」。ここ数日「はかるくんII」で測った数値では初石駅近辺路上1mで0.3μSv/h、木造住宅内で0.1を切るようになってきました。3月21、22日の雨で東葛地域に落ちたチリの核種は行政当局が未だに測定していないために正体がはっきりしませんが、ヨウ素とセシウムが主だとすると、そのうちヨウ素が1カ月で5%程度に減衰しているために徐々に下がっているようです(もちろんこれは放出の続いている福島第一現地からまた大放出があったり、台風などでチリが巻き上げられて拡散し、ふたたび近辺に流れてきたところに雨で地上に落ちるなどがなければ、という仮定でです)。しかし、これからセシウム137など半減期の長い核種が残れば百年単位の計測と疫学的影響調査が必要になるでしょう。体内に取り込んだ場合の影響については日本政府の数値はもちろん国際放射線防護委員会(ICRP)の数値も過小評価しているといわれています。むしろ「フクシマ」の知見が蓄積されて、これから世界での原発事故対策に取り入れられていく、ということです。そこで「日本ではこうやって被害を低減できた」となるか、「日本ではこのようにしたために被害が拡大した」となるかなのです。
行政とのやりとりで感じるのは地域自治体の対応が国家官僚・御用学者の孫引きなことです。よくいわれますが、エリート国家官僚は数年で担当が替わるために長期的な責任を問われない体質になっている。地域住民と直に接する自治体職員のみなさんを私たちの側にとりもどさなくては。官僚の仮面なんかとって人間に戻ってね、と。

政府・御用学者ではない情報について。
崎山比早子さん(元放射線医学総合研究所主任研究官、医学博士、現高木学校)の動画
原子力資料情報室の映像アーカイブ

文書3点です。
ドイツ放射線防護協会「日本における放射線リスク最小化のための提言」(PDF)
日本政府の数値でなく、ドイツ放射線防護令を適用した場合の「がまん値」についての提言。推計の前提がラフですが、日本で市民・専門家によってしっかりした対策をつくるための参考にはなるでしょう。

「チェルノブイリ原発事故によるベラルーシでの遺伝的影響」
ベラルーシにおける事故後の先天性異常についてのデータがあります。

「放射線と健康」アーネスト・スターングラス博士
アメリカで原水爆実験と原子力事故による晩発性障害の研究をしてきたスターングラス博士が2006年青森で行なった講演のまとめです。「どなたか広島・長崎以降の国家医療費の総計を、原子力発電所の推移とくらべて調べてみるといいでしょう」。

以上文書3点の出典サイト「福島原発事故情報共同デスク」の「放射能の基礎知識」
(ここに紹介されてる「よくわかる原子力」「キッズページ」子どもにみせてみようかな)

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